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若者の16%「つきあっていれば性行為はあたりまえ」…“NG知識”をそのままにしない、リスク回避の性教育

若者の16%「つきあっていれば性行為はあたりまえ」…“NG知識”をそのままにしない、リスク回避の性教育

『親子で考えるから楽しい!世界で学ばれている性教育』より #2

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 2022年4月から「成年年齢」が引き下げられ、18歳から成人と認められるようになりました。それ以前もこれからも、15~18歳の子どもたちは大人に近い年齢ですが、親が恥ずかしがらずに正しい性の知識を共有することがやはり重要です。

 ここでは、5歳から18歳までの幅広い年齢に対応した性教育をイラスト入りでわかりやすく解説する『親子で考えるから楽しい! 世界で学ばれている性教育』(講談社)より一部を抜粋。15~18歳の子どもと性について話す際のポイントを紹介します。(全2回の2回目/前編を読む)

『親子で考えるから楽しい!世界で学ばれている性教育』より

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「セックスの話ははずかしい」という先入観を取りのぞこう!

 NGOプラン・インターナショナルの、15歳から24歳を対象にした調査(2020年)によると、8割近くが「性的同意 」について認知しており、9割以上が「性的同意を実践している」、または、「実践しようとしている」と答えています。

 若者の認知率と実践意欲の高さについては、とてもよいと感じる一方で、「実践のための壁」があることもわかりました。

 6割近くが、性的同意の壁として、「はずかしさ」を選んでいます。続いて、半分以上が「雰囲気を壊すから」を選択。つきあっている同士でも、性について話すこと、意思をしめすことへのタブー意識が見受けられます。

 また「つきあっていれば、性行為をするのはあたりまえだ」と16%が回答。このことから、合意がなくとも「つきあう=セックス」をあたりまえととらえている人が一定数いることもうかがえます。

 つきあっている間柄なのに、同意を確認することを「今さらはずかしい」「ヤボなことをしたくない」と思っているのは、日頃からふたりの間でセックスについて話題にする機会がないからではないでしょうか?

 私の友人男性は、「くだらない下ネタ以外でセックスの話はするのはためらわれる」と言っていました。日本人の「セックスの話をするのははずかしい」「性をオープンに話す女性ははしたない」という先入観も理由のひとつかもしれません。親の「性教育ってむずかしい」という意識もこのような感情が関係していそうです。

 けれども、さまざまな性暴力や恋愛、婚姻関係の問題の裏には、パートナーと日頃ごろからまじめに性の話をできないということもあると思います。