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若者の16%「つきあっていれば性行為はあたりまえ」…“NG知識”をそのままにしない、リスク回避の性教育

若者の16%「つきあっていれば性行為はあたりまえ」…“NG知識”をそのままにしない、リスク回避の性教育

『親子で考えるから楽しい!世界で学ばれている性教育』より #2

note

 まずは1)、月経が長引くと排卵が重なる可能性もあり、とくに若い女性はホルモンバランスが不安定で排卵の時期も乱れがち。そのため、月経中でも妊娠する可能性があります。

 2)は、精子は酸に弱く、レモンや炭酸飲料によって精子が死滅して妊娠しないというのは、まったくの都市伝説。食品に含まれる酸程度では死滅せず、また精子は射精後すぐに子宮に到達するので、行為後に膣を洗っても効果はないそう。

 3)は、1度の射精で放出される精子の数は2億~3億といわれており、2回目、3回目でも妊娠の可能性に変わりはありません。

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 4)は、2枚重ねにすると、コンドーム同士がこすれあい、摩擦でやぶれやすくなるため、かえって危険です。

 避妊知識、どうでしたか?日本家族計画協会など「避妊知識実力テスト」を行っているサイトもあります。クイズを一緒にやってみることから、子どもたちと気軽に避妊について話しあえる関係づくりができるといいですね!

若い妊娠、出産をとりまく環境は?

「もしおたがいが同意していて、きちんと避妊していれば、中学生や高校生同士でセックスしていいの?」と聞かれたら、どう答えていいか悩みませんか?そんな時、子どもたちときちんと話すため、サポートになる情報はないか考えてみました。

『親子で考えるから楽しい!世界で学ばれている性教育』より

 それには、モラル的にいいか悪いかではなく、決断によるリスクを、あらかじめ伝えておくことが大事ではないかと思いました。

 厚労省の「出生に関する統計」(令和3年度)では、10代で妊娠・出産している人の8割は、「妊娠してから結婚している」とわかります。そして「人口統計資料集」(2021年)を見ると、19歳以下の女性の離婚件数は他世代に比べて高く約8パーセント。とても高い率だということがうかがえます。10代の離婚率が高いのは、結婚の理由が「子どもができた」からであることが多く、パートナーと一緒に家庭を持ちたいことが動機であるケースをうわまわっています。