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妊娠・出産しながら学校を続ける支援が必要

 また女性は男性よりも、出産で、学校生活の継続や将来の夢の選択を制限されることも多いでしょう。

文部科学省によると、2015~16年度に高校3571校が把握した生徒との妊娠2098件のうち、妊娠を理由に学校を退学した生徒は、全体の約3割です。それを問題視した文科省は学校に、2018年「妊娠・出産を理由に、安易に退学させないよう支援や配慮を求める」という通知を出しました。

貧困は下の世代に続いていく非正規雇用の不安定さ

 若くしてシングルマザーになったら、貧困のリスクもあり、それは子どもたちにも連鎖していきます。労働政策研究・研修機構の「第5回子育て世帯全国調査」(2018年)によると、シングルマザーの貧困率は51.4パーセント。

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 若いうちの出産のために教育機会や就労経験にとぼしかった人も多く、収入の道が限られていることが多いのも原因ではないでしょうか?

 内閣府の「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」の報告書では、女性がより多く従事する産業が新型コロナによって打撃を受けたことやシングルマザーの失業率が2020年7月から9月にかけて急上昇したことがあきらかになっています。

 シングルマザーの場合、非正規雇用や短時間労働であることも少なくないため、経済状況が悪化した際に解雇されやすいのです。

ひとり親家庭の子育てサポート不十分という問題点

 10代で妊娠し、結婚、そして離婚をすることが悪いのではありません。問題なのは、ひとり親世帯への子育てサポートが、日本では不十分だということです。

 子どもたちに好きな人ができることや、自分の意思で物事を決めていく姿勢はぜひとも応援してあげたい!

 ただ頭ごなしに「ダメ!」と言ったり、おどし文句を言うのではなく、今の判断が未来にもつながっていくこと、もし妊娠、出産というようなことになったら、赤ちゃんの生活にもかかわることなどをイメージしやすいよう、話せるといいですよね。