4歳の娘の自慰行為に葛藤する母親を描いたコミックエッセイ『やめられない娘と見守れない私 4歳の性に悩んだ700日間』(竹書房)。作者である「加藤かと」氏が友人の体験談をもとに生み出した本作は、育児系のWEBマガジン「すくすくパラダイスぷらす」での連載中から大きな反響を呼んだ。
「初めて連載を読んだときは、『すごいセンセーショナルなテーマに切り込んでいるな』と思って、びっくりしました。でも物語がドラマチックに展開していくから、抜群に面白くて。カタルシスのようなものを感じながら、どんどん読み進めてしまいました」(担当編集の谷川愛さん)
「幼児自慰」に悩む子育て世代の読者から共感を呼ぶ
本作のテーマである「幼児自慰」は、幼児期の子どもにとって特に珍しいことではないと言われている。行為自体に性的な意味はなく、一種のクセのようなものだという。しかし世間ではあまり知られていないため、実際にわが子が自慰をしているのを見て、戸惑う親が多いそうだ。本作はまさに、その戸惑いや葛藤を描いた作品となっている。
「子育てをしているお友達にも相談しにくい内容だから、ひとりで悩みを抱えて、落ち込んでしまう親が多い。実際にそういう方々から『自分も同じように子供の自慰行為に悩んでいたので、すごく参考になりました』という感想をいただきましたね。
あとは、『友達が子供のそういう行為に悩んでいるので、この本を贈ってあげようと思います』と言ってくださる方もいました」(同前)
わが子が幼くして“性”に目覚めたら、どのように向き合えばいいのか——。周囲の理解を得にくい問題に深く切り込んだことで、育児をする子育て世代の読者から共感を呼んだ。しかし一方で、衝撃的なテーマには反感もあった。