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面で見れば分かる「沖縄に対する態度」を対比させるつくり

 この報道では「朝日新聞」が目を引いた。

 同日には野中広務・元自民党幹事長死去の記事もあったのだが朝日は社会面で野中氏について、

《沖縄の基地問題に取り組んだことでも知られる。》とも詳しく書いていた。

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「沖縄の大変な状況を何とかしたいと憂えていた。沖縄にとって非常に大きな存在だった」という沖縄県知事だった稲嶺恵一氏のコメントも。

1月27日朝刊は各紙、野中氏の訃報を1面で報じた。朝日は「野中広務さん」。

 そして、その記事の上を見ると、

「松本副大臣、ヤジで引責辞任」

1月27日朝日新聞朝刊、社会面

「現地軽視の発言続く」の小見出しが目立つ。これが野中広務氏の記事とつなぐブリッジのようになっているのだ。

「今」の松本副大臣と「昔」の野中広務氏の「沖縄に対する態度」を対比させるつくり方になっている。同じ自民党でも、同じ権力者でも、沖縄にこうも態度が違うのか? という問いかけのよう。「東京新聞」は「『死なないと動かないのか』松本副大臣発言 憤る沖縄」(1月27日)という現地の声を。

国会スタート、各紙憲法論議もスタート

 さて、これまでの国会についての社説をふりかえると論点が異なるのはやはり「憲法」だ。

「代表質問 野党は憲法論議を回避するな」(読売 1月26日)

「憲法と政党 改正論議の加速が必要だ」(産経 1月27日)

に対し、

「憲法70年 際立つ首相の前のめり」(朝日 1月23日)

 新聞各紙による憲法論争は今年はさらに違いが出そう。

左から産経、朝日、読売の各社説