「僕はママズボーイ(=お母さんっ子)だから。彼女を笑顔にしてあげられるのは、とてもクールなことなんだ」
今月15日(現地時間)、所属するセントルイス・カージナルスのファンイベントで、記者を前に笑顔で母への感謝を語った25歳。彼の名前はラーズ・ヌートバー。ミドルネームは“テイラー・タツジ”。今年3月に行われるWBCの侍ジャパンに、日系人として初めて選出された現役メジャーリーガーだ。
メジャー2年目の昨シーズンは、108試合に出場して打率.228、14本塁打、40打点。選球眼のよさと強肩に定評があり、身長190センチ、体重95キロの恵まれた体格から、長打力にも期待がかかる。侍ジャパンでは外野手として、中堅での起用が予想されている。
彼の“最愛の”母・久美子さんが、代表内定当日の様子を語ってくれた。
最初のコンタクトは「大谷翔平の通訳」からだった
昨年10月ごろから代表入りの噂がちらほらあったようで、でも私たち家族は「そんなことあるわけないじゃん」と信じていなかったんです(笑)。それがシーズンが終わったころに、大谷(翔平)君の通訳の(水原)一平君から連絡があって、「ラーズのお母さんのパスポートってどうなってる?」というようなことも聞かれて、「もしかして?」って。
その後あらためて一平君から、「栗山(英樹)さんがお願いしたいと言っているんだけれど、どう?」とラーズに連絡をいただきました。その時点でラーズは「お受けします」と伝えていたんですけれど、カージナルスにも確認が必要だったりして、最終的に昨年末ごろ、栗山さんとラーズと通訳の一平君と、3人でオンラインミーティングをして、そこで正式に栗山さんから、「よろしくお願いします」と言っていただいたんです。
そのオンラインミーティングはこの家(LA近郊エル・セグンドの実家)でしていて、「お母さんそこに座ってて」と言うので、私も会話は聞きたいから(笑)、近くに座っていました。化粧もしてなくて、「絶対にこっちにふらないで」と言ってたんですが……、ちょうど3人の会話が終わったところで、ラーズが「あ、ちょうどいまお母さんが来たから話しますか?」って、栗山さんに言ったんですよ。それで、「はじめまして」って。