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「正直、HIROくんに対するジェラシーの感情がありましたね」クロちゃん(46)が嫉妬心を「成長の糧」できたワケ

『日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由』 #3

2023/01/28
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 だけど、徐々に考え方が変わっていったんですよ。HIROくんが目立つということは、誰も僕なんかに注目していないということ。それはある意味、自分にとってチャンスだと思ったんです。

 誰も注目していないんだから、好き勝手なことができる。この期間にパワーを溜めて可能性を広げて、自分のターンが回ってきたら一気にスパークさせることができる。

 今は解散しちゃったんですけど、僕と同じ事務所にピーマンズスタンダードというコンビがいまして。そこのみなみかわとの関係に悩んでいた相方の吉田(寛)に言ったことがあるんです。

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「たしかに今はみなみかわのほうがお前より少し目立っているかもしれない。だけどそれが一段落したら、たぶん世間はお前のほうが気になるようになる。それまでキャラクターが前面に出ていなかった分、お前のことをいじりたくなるはずだから。それまでに地力をつけておけば、一気にお前はバーンと前に出ることができるぞ」

腐っても状況は何も変わらない

 僕がHIROくんと出会ってたどり着いた理論です。なんで自分が一番じゃないんだ? 二番手、三番手じゃ自分は満足できない!

 そう思うのは勝手ですよ。でもそれで腐ってなにもしなかったら、状況は変わらないじゃないですか。今は打順が回ってくるまで力を蓄えておけるチャンスなんだから、ラッキーだと考えないとダメなんです。

 実際に忙しくなって、自分の役回りを求められるようになると、新しいことを試すなんて余裕はなくなります。

 会社員だったら空いた時間を使って資格を取るとか、野球部でピッチャーの補欠だったら新しい球種を覚えるとか、なにかしらアクションを起こすべきなんです。

 二番手はチャンスがある。二番手はおいしい。こういう発想ができる人こそ、数少ないチャンスをモノにできると僕は信じています。棚からボタモチが落ちてきても、賢くない人はそれがボタモチだと気づかずにスルーしがちなんですよね。

 HIROくんに対してジェラシーを抱いたことはあったけど、逆に僕が嫉妬されるようなことはまったくないんですよね。

 最近はよく「テレビの出演回数がすごいね」とか「活躍してるじゃん」とか言われるんですけど、「うらやましい」とか「俺もクロちゃんみたいになりたい」とは絶対に言われない。尊敬もされなければ、嫉妬されることもないんですよ。

 実際、僕も狙って今のポジションになったわけじゃないですからね。芸能界にいる以上、「売れたい」とか「名前を知ってもらいたい」と考えるのは当然でしょうけど、「かといって、クロちゃんみたいなかたちで売れてもね」って小バカにされている状態がずっと続いているんです。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

「正直、HIROくんに対するジェラシーの感情がありましたね」クロちゃん(46)が嫉妬心を「成長の糧」できたワケ

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