鮮やかな赤と青のペンキでフロントガラスまで塗装し、「大牟田」「祝」「成人」などと白文字で書かれた異様な軽トラックが爆音をまき散らしながら歩道へ乗り上げる。

 歩道を歩いていた男女は危うく身をかわしたが、荷台に乗った異様な服装の男たちは心配する様子も見せずに駆け抜けていく――。

街中を暴走する改造車。落書きも旗もとにかく目立つ

 成人式を翌日に控えた1月8日、福岡県の大牟田市で開かれた「はたちの集い」会場付近で撮影された映像に、日本中から批判が殺到した。

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「大牟田の成人式は毎年、どれだけ目立てるかを競う祭りのようなもの。今回話題になったあれも極めつけのヤンキーたちで、何年も前から準備していたんだと思います。『ダサいことは絶対やらない』と言っていたみたいですけど、警察のお世話になって全国に顔を知られて、最高にダサいことになりましたね(笑)」(成人式に参加した男性)

歩道に突っ込む改造車。カメラを向ける通行人も

 “軽トラック暴走”の当日に男性のうちの2名が道路交通法違反の疑いで検挙されている。“暴走”の詳細を社会部記者が説明する。

「午後2時30分頃、車のマフラーなどを不正に改造した軽トラック2台が、交差点を曲がった死角地点で待ち伏せていた警察官を避けようとして歩道に乗り上げました。その後すぐに警察官に止められ、改造車は押収。運転していた男性2名が歩道通行、消音器不備などの道路交通法違反で取り締まりを受けました。逮捕ではなくいわゆる『キップを切られた』という行政処分で、反則金として2台あわせて2万1000円を科されています」

「あれは地元でも“特殊部隊”のようなやつらです」

 大牟田署の幹部は「目立つことは悪いことではないが、人に迷惑をかける行為は絶対にやめてほしい」とコメント。この“新成人”たちは、一体どんな人物たちなのか。事件当時も、歩道に向かって「どけ!」「轢くぞ!」と大声を上げた“特殊部隊”の1人を知る男性が、彼らの素性をこう話す。

改造車で暴走していたグループの集合写真

「彼らは16人のヤンキーグループで、高校時代から単車で走り回っていた地元でも“特殊部隊”のようなやつらです。何人かが塗装業や車の整備関係の仕事に就いていて、今回の改造車も自分たちで部品集めや塗装をしたお手製だと思います。小さい頃に野球で日本代表に選ばれた人もいるんですが、地元では完全に“たちの悪いヤンキー”として有名人です」