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退職のタイミングは年に一度だけ

 労働問題に詳しい旬報法律事務所の佐々木亮弁護士は、こう指摘する。

「仕事に必要な資料の読み込みは労働時間に含まれます。賃金を払わないのであれば、労働基準法違反となる。また実際の残業時間を申請しているのに認めない場合も違反にあたります」

 それだけではない。同センターの元看護師によると、「退職のタイミングは年に一度しかない」と嘆く。

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「毎年1月に、『来年度末までの退職希望の有無』を回答する紙が配られる。それを逃すと、その後、1年は申し出てもすんなり辞められなかった」

〈予定外の中途退職のないよう、熟慮の上〉と書かれた「退職希望アンケート」

 東京医療センターに事実確認を求めると、次のように回答した。

「今年度末までに看護師646人のうち106名が退職予定です。例年より多いのは理解しており、改善策を考えているところです。また、退職は年1回の調査以外にも都度希望を尊重し認めています。超過勤務については、事前命令、事後確認が原則で、申請させないということはありません。労働基準法に則り適切な人事管理を行っております」

 今年1月の「アンケート」では残っている看護師の半数が退職を希望したという。前出の幹部はこう嘆く。

「病床を減らさないと現場はもうまわらない。来年度からの看護体制なんて、ヤバすぎて想像もつきません」

 東京医療センターは、看護師たちの悲鳴に応えることができるか。

 2月8日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および2月9日(木)発売の「週刊文春」では、他にもある「労基法違反疑惑」など、東京医療センターの実態を報じる。

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