やぶの中で発見された3兄妹の遺体は、目を背けたくなるほど無惨な状態だった。しかし捜索と検証が進むなかで、さらに胸を締めつける事実が明らかになる。7歳の長男は、襲いかかる熊を前に、幼い弟と妹を守ろうと必死に抵抗していた――。

 なぜ子供たちは熊と遭遇したのか。そして、3人を同時に失った家族を待ち受けていた、あまりにも過酷な現実とは。宝島社ムック『アーバン熊の脅威』より、事件のその後を追う。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

◆◆◆

ADVERTISEMENT

なぜ3兄妹は熊に襲われた?

 3歳、5歳、7歳の幼い子供の遺体は筆舌に尽くしがたい無残な姿になっていた。遺体の肉は歯と爪で剥ぎ取られ、あらゆる骨は砕かれてボロボロになっていた。

 熊は3兄妹の遺体すべてを徹底的に食い荒らしていた。3兄妹の長男である7歳のヘンリーが、幼い弟と妹を守るために熊を相手に抵抗を試みた痕跡も残っていた。正確な経緯はわからないものの、子供たちは遊んでいるうちに森の中へ迷い込み、自宅から5キロほど離れたところで熊に遭遇したとみられている。

 3兄妹の遺体発見から数分後、猟師のウェルドンは遺体のすぐ近くのやぶに潜んでいたクロクマを即座に射殺。