水産庁によると、漁業に従事している女性の割合は約14%。船を操って、多種多様な魚を水揚げする彼女たちの目標とは?(全4回の2回目/#3#4に続く)

撮影 深野未季

愛する地元で一人漁ギャンブル要素も満喫

 神奈川県の葉山生まれの葉山育ちです。小っちゃい時から海に親しみ、兄の影響で水産高校の食品産業科に進学しました。卒業後、ダイビングショップを経て、母校で実習助手を務めたものの、人間関係に悩んで、1人で働ける漁師になりたいなって。定置網の船に乗せてもらうと、多種多様な魚が獲れて、イルカやアザラシ、ウミガメやハンマーヘッドシャークが見られて凄く楽しかったから。

第三桜花丸に乗船する畠山晶さん(神奈川・葉山)

 葉山のおじいちゃん漁師のもとに半年通い、2012年に弟子入り。今は“桜花丸”に乗って一人漁をしています。冬は刺し網漁、タコかご漁、覗き漁などでタコ、ナマコ、伊勢エビ、アワビ、サザエなんかを狙います。夏は潜り漁。漁師を続けるのは海が好きだから。獲れると楽しいし、ギャンブル要素もあると思います。人間関係に悩んで漁師になったけど、沖で何かあれば助けてもらったり、結局1人じゃ漁はできないし。真名瀬漁港で朝市を主催するのも結局私は人が好きなんだなと。

 

 ただ、漁獲量が減り続けているのが悩みです。乱獲、水温の上昇、水の消毒過多、異なる生態系による食害、集中豪雨など問題が多すぎて。研究者と海藻を増やす活動などをしていますが、果たして解決になるのか。今はどうしたら海が戻るんだろうということばかり考えています。