水産庁によると、漁業に従事している女性の割合は約14%。船を操って、多種多様な魚を水揚げする彼女たちの目標とは?(全4回の4回目/#2、#3、#4から続く)
撮影 深野未季
男性に交じって紅一点定置網で踏ん張り続ける
生まれは和歌山市で、祖父によく釣りに連れて行ってもらいました。海が好きで、魚が好きで、大阪動植物海洋専門学校に進んだんです。水族館の飼育員を目指していたんですが、就職のための企業説明会で三津大敷の漁労部長さんと出会って。「女の子やから就職はできひんけど、研修だけおいで」と言われて、高知の室戸で定置網漁を3週間体験させてもらったら、魚は沢山獲れるし、すごくかっこよかった。漁師になろうと思いました。「働きたいです」と諦めずに頼み込んで、就職させてもらったのが3年前です。
2艘の船に分乗して、定置網漁を行うのは6時半と12時半の1日2回。船員は20名で、女性は私だけ。体力的には本当にしんどいですが、魚を見るのも、触るのも楽しい。イワシからクジラまで何でも獲れますが、メインはブリ、サバ、アジ、カツオなど。私が大好きなのはシュモクザメですが、売れないので結局海にポイされます。
三津大敷は私を含め20代が4人、30代が2人と若いメンバーも多いです。2022年に株式会社化して、給与制、土曜定休で働きやすくなりました。漁師を志す覚悟のある方は県外からも大歓迎です。日によっては、立ってられないくらい揺れますが(笑)。