川崎が優勝するためのキーマンはキャプテン
――昨シーズンまでキャプテンだった谷口彰悟が抜けた川崎を推す理由は。
城 チームのスタイルが完成しているし、サッカー自体も独特ですごく強い。昨年、中盤に調子が落ちたけど、ベテランと若手が融合したチーム力は、日本でトップクラス。選手が入れ替わる中、うまくスライドして戦力を落とさずにやってきているのは、鬼(鬼木達監督)さんのマネジメント力でもあると思います。
ただ、キャプテンだった谷口が移籍したので、リーダー的な存在がいなくなったのが大きいですね。川崎は、伝統的にスキルとリーダーシップを兼ね備えたキャプテンがチームを牽引してきたんですよ。(中村)憲剛、谷口はまさにそのタイプだった。
――川崎が優勝するためのキーマンは、キャプテンであるということですか。
城 そうですね。それほど大きな補強をしているわけではなく、若手が多い。まずは、彼らがどこまで飛躍することができるか。そして、キャプテンですね。3年目の橘田(健人)がなりましたが、ポジション的にもインサイドハーフで重要な位置にいるし、プレーでチームを引っ張っていけるかどうか。
また、チームがいい時はキャプテンの仕事はあまりないけど、悪い流れになった時、リーダーシップを執って建て直すことができるか。それができたら選手は揃っているので、優勝に絡んでくるでしょう。
鹿島が優勝争いに入り込んだ理由
――ここ数年、優勝争いに絡めていなかった鹿島を推したのは、どういう理由からですか。
城 昨年途中で、岩政(大樹)監督に代わったけど、そこまでいいサッカーができている感じはしなかった。鹿島の伝統的な強さって、守備からというのがあると思うんですよ。そういう意味でいうと、昌子(源)と植田(直通)の補強は絶妙でした。彼らが入ることで、鹿島のセンターラインがしっかりしてくると思うんです。それに彼らはセットプレーも強い。鹿島はセットプレーが武器のひとつだったので、攻守に貢献できる選手が戻ってきたのはすごく大きいと思います。