いったい何が原因で表舞台から姿を消してしまったのか
40レジェンドとは韓国プロ野球がリーグ創設40周年を記念して昨年9月に発表した「KBO LEAGUE 40 LEGENDS」のことだ。ファンはもちろん、OBや現役の監督と選手、メディアなどの投票で選ばれた厳選40名の“オールタイム・ベスト”のようなもので、宣銅烈(元中日)、李承燁(元ロッテ、巨人、オリックス)、李大浩(元オリックス、ソフトバンク)などとともに林昌勇も選ばれている。
KBOリーグ通算130勝86敗258セーブ。最優秀救援投手2回、最多セーブ1回、最優秀防御率1回と個人タイトルも多く、5年間で128セーブを挙げた日本時代を含めると、そのセーブ数は386を数える。アメリカでは記録らしい記録は作れなかったが、37歳でメジャーのマウンドにも立った。
そうした活躍が評価されてレジェンド入りするも、華々しくセレモニーが行われた他のレジェンドたちとは異なり、林昌勇は授賞式すら行われていない。それどころかKBOが「林昌勇の選出には議論があるが投票は事件の前に行われたものだ」と、授賞式を行わない理由を念押しするほどだったというのだ。
一体、何があったのか。前出の記者Aが語る。
記者が語ったのは林昌勇の数々の不祥事だった……
「実は昨年7月、不祥事がありました。闇カジノでバカラ賭博に興じていたことが発覚したんです」
当時の裁判発表を調べてみると、林昌勇は2022年3月12日、夜から翌日午後までの約15時間、1億5000万ウォン(約1500万円)以上も賭けてバカラ賭博に興じていたらしい。
しかも、林昌勇が賭博で摘発されたのはそれが初めてではなかった。
アメリカから戻ってサムスン・ライオンズで韓国球界に復帰した2014年シーズンのオフ。チームメイトだった呉昇桓(元阪神)らとともに訪れたマカオで、カジノ遊びをしていたことが噂になった。韓国では刑法上、自国民が海外でギャンブルをすることを禁止しているため、その行為は“遠征賭博”と報じられ、その容疑をかけられた林昌勇は検察に送致。調査の結果、常習性は認められないとして罰金1000万ウォンを科せられていたのだ。