そしてダメ押しとなったのが前出のバカラ賭博だった。現場となったのは韓国の地方都市のホールダムパブ。ホールダムパブとはカードゲームなどを楽しみながら酒も飲めるパブのことだが、金銭のやり取りがあれば闇カジノとなんら変わらない。
当時の裁判発表を調べてみると、林昌勇は2022年3月12日、夜から翌日午後までの約15時間、1億5000万ウォン(約1500万円)以上も賭けてバカラ賭博に興じていたという。
「過去にも同様の犯罪で処罰されている前歴があるにもかかわらず、またもや巨額の金を賭けて賭博するなど、極めて常習性が高い。厳重に処罰する必要があると判断し、懲役6カ月、執行猶予2年、罰金300万ウォン、40時間の社会奉仕を命じる」(テジョン地方法院)
今、どこで何をしているのだろうか。記者に聞くと……
カジノに税金滞納、金銭トラブルにバカラ賭博。たたでさえトラブルメーカーの印象が強かったのに、ここまで悪行が続くともはや表舞台に姿を出せなくなるのも当然だろう。林昌勇だけレジェンド40の授賞式が行われないのも“身から出た錆”というわけだ。
「引退したばかりの頃は野球解説者に転身して二軍リーグにまで顔を出したり、IT企業が立ち上げたオンライン動画サービスでBJ(ブロードキャストジョッキー)を務めてファンと交流もしていたんですよ。最近はそういった活動もなく、我々記者たちも何をしているか、まったくわかりません。風の噂では社会人草野球の助っ人をやっていたとか、プロを目指す若者たち向けのプライベートレッスンを細々とやっているとも聞きますが、どこまで本当やら……。とにかく惜しい人です」(一般紙A記者)
サイドスロー特有のうねるような軌道で最速160キロを超えたことから「ベム(蛇)直球」とも言われた林昌勇。「人生で重要なのは、スピードではなく“方向”だ」を信条としていたそうだが、どこで道を踏み間違えて目指すべき方向を見失ってしまったのだろうか。
イチローに打たれても言い訳も弁明もしない潔さが印象的だっただけに、今の転落ぶりは残念でならない。
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