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 A記者が続ける。

「当時は韓国で4度目の最多セーブ王となり、第1回プレミア12の韓国代表にも選ばれて、アメリカでの挫折を乗り越えたようにも見えました。しかし、その矢先に賭博スキャンダル発覚が原因で代表から外れ、サムスンからも追い出された。その後、古巣のKIAが救いの手を差し伸べて現役を続行できましたが、そのKIAでも起用法を巡って監督とモメて試合後のハイタッチ拒否をする問題を起こしてしまった。結局、それが引き金になって戦力外通告を受けて引退を余儀なくされた。本人は現役に未練があったようですか、40歳を過ぎた“プンウンア”を欲しがる球団はもはやなかったということです」

 “プンウンア”を漢字で書くと「風雲児」となる。韓国では問題や事件を起こす者に使われることが多く、実は林昌勇は若い頃から「風雲児」と呼ばれていた。

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 当時をよく知る韓国スポーツ新聞の野球担当B記者も語る。

©OSEN

球場内外で火種を抱えていたトラブルメーカー

「タバコは吸うし、練習中でもポケベルを持ち歩き、無断外出もする。それでもマウンドに立てば度胸満点で絶対的守護神。オフになると、年俸交渉で球団と神経戦を繰り広げるのが年中行事。プライベートでは2003年に妻がいたにもかかわらず、2人の女性と内縁関係にあったことが明るみに出て離婚騒動を起こしたこともあった」

 韓国球界屈指の“火消し役”だが、球場の外では多くの“火種”を抱えるトラブルメーカー。それはユニホームを脱いでも変わらず、引退後は金銭トラブルが相次いだ。

 2020年12月には2億ウォン(約2000万円)の税金を滞納していることが国税庁の発表によって明らかになり、2021年7月には借金が原因で詐欺容疑がかけられ検察に送致。ソウル市の高級クラブ店に勤める30代女性から2500万ウォン(約250万円)を借りるも、そのうち1500万ウォン(約150万円)を返済しなかったとして告訴されたのだ。