1ページ目から読む
2/2ページ目

ロシア軍はウクライナの航空産業資源も奪い去った

 かつて東日本大震災のときもフランスから原発事故対応物資を抱えて飛来したり、我が国の国際緊急援助隊の車両を運んだこともある、ウクライナのアントノフ社ご自慢の世界最大の量産型輸送機アントノフ124(愛称ルスラン)をベースにさらに巨大化したのがこのアントノフ225なのである。

ムリーヤもひどい姿だが、ロシア軍の戦車、装甲車もバラバラである。撤退の前にもてあまし爆破したというより、ウクライナ軍との戦闘で破壊されたようである 撮影・宮嶋茂樹

 ムリーヤはこのように無残な姿をさらしているが、この向かいのハンガー(格納庫)にはこのムリーヤの原型となったルスランが格納されていた。

ムリーヤの向かいのハンガーにはその原型となった世界最大の量産型輸送機アントノフ124、愛称「ルスラン」が格納されていたが、こちらも傷だらけであろう 撮影・宮嶋茂樹

 一見無傷なように見えるこの世界最大の「量産型」輸送機もまわりでこれだけの弾がとびかったのである。

ADVERTISEMENT

 流れ弾の10発20発は当たってて当然やろう。当然しばらく飛べんはずである。

エプロンには大小さまざまな無数の実弾、不発弾、爆発物が散乱したままであった 撮影・宮嶋茂樹

 そうなったらロシア軍はウクライナ人から大切な人の命や国土はもちろん「夢や希望」もさらにその輸送力により産み出されるはずだった航空産業資源も奪い去ったことになる。

 しかし、アントノフ社は直ちに国際基金を設立、この巨鳥「夢・希望」をフェニックス「不死鳥」として蘇らせるべく、国の内外から資金を集め復活を期している。プーチンは無意味な破壊ではウクライナ人から夢も希望も奪えなかったと悟るであろう。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。