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メンタル休職者は「民間の3倍」
多くの人が、公務員という職業に期待するものは、何でしょうか。「マイナビ2023年卒公務員イメージ調査」によると、「公務員になりたいと思う理由」の上位3位は「安定している」「休日や福利厚生が充実している」「社会的貢献度が高い」です。
いずれも世間一般に浸透しているイメージです。もちろん間違いとは言いませんが、そうした捉え方だけで公務員を志望するのは、やや危険な気がします。なぜなら、「全自治体対象、公務員のメンタル調査 休職者増で総務省」(日本経済新聞 2021年8月10日)によれば、「地方公務員の休職者が増加傾向で、多くは精神疾患が原因」とあり、また官僚のメンタル休職者は民間の3倍いるとも言われているからです。
こうした現状を踏まえると、やはり公務員の実態を理解せずに、先に挙げたような世間一般のイメージだけを捉えて公務員になってしまったことが、原因の1つであると思わざるを得ないのです。
それは、公務員になった人にとっても、社会にとっても損失です。場合によっては、その人の人生をダメにしてしまうかもしれません。そうなっては、何のために公務員になったのかわかりませんし、せっかくの人生をムダにしてしまいます。そのようなことがないように、皆さんに公務員の実態をお伝えしたいと思い、まとめたのが本書です。