文春オンライン

〈15歳で出産〉担任から「他の生徒には子どもの姿を絶対に見せるな」と…中3で妊娠した母親(21)が語る、若い親に対する偏見と疎外感

横井桃花さんインタビュー#2

私と息子は社会から受け入れられないと落ち込んだ

――中学を卒業したばかりの元生徒が子どもを持つことは良くないことだと、中学の先生から判断されてしまったんですね。

横井 そうですね。それでまた気持ちも落ちてしまって。私と息子は社会から受け入れられない、隠されなければいけないものなんだと思ってしまいました。それに息子の父親とも連絡が取れない状況だったので、余計に落ち込んでしまって。

 でも、息子は責任を持って私が育てないといけない。産むと決めたのも、高校に行かないと決めたのも私だったので、そこからは切り替えて一生懸命子育てをすることでいつか周りに認めてもらいたいと思うようになりました。

ADVERTISEMENT

生後2ヶ月の幸希くん

――その他に若い親、ひとり親ということで周りから何か言われた経験はありますか。

横井 SNSで発信を始めてから、「ちゃんと子育てしてなさそう」とか「虐待をしてそう」というコメントをもらうことがありました。

 10代の母親でもしっかり育児している人はたくさんいるので、そういうコメントは悲しいし、それを見た他の母親もショックを感じると思うのでやめてほしいです。もちろん経験が浅いので子育てに悩むことはたくさんありますが、いろんな壁に当たりながらも子どものことを考えてやっているので、そういう部分をもっと知ってほしいと思います。

©杉山秀樹/文藝春秋

――お子さんの父親との状況は以前と変わらず、連絡が取れないままなのでしょうか。

横井 全く連絡は取っていないですね。そもそも連絡先もわかりません。最近は、息子が父親や母親という存在を理解してきて、「僕にはお父さんがいないの?」と聞いてくることがありました。正直に「うちにはお父さんはいないんだよ」って伝えるんですが、そうすると「なんでいないの?」って聞かれるので、「もうちょっと大きくなったらちゃんとお話しするね」って伝えています。

 できるだけ正直に伝えたいと思っているので、息子がある程度理解できる年齢になったら話そうと思っています。

 今後、もし息子が「父親に会いたい」と言ったら、会える状況にしてあげたいとも思っています。自分自身もひとり親で育ったから父親に会いたいと思う息子の気持ちは理解できるので。