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〈15歳で出産〉担任から「他の生徒には子どもの姿を絶対に見せるな」と…中3で妊娠した母親(21)が語る、若い親に対する偏見と疎外感

横井桃花さんインタビュー#2

note

息子には逃げ場がない

――お子さんもお父さんがいないという状況は理解しつつあるんですね。

横井 そうですね。私の兄の家に行くと息子がすごく楽しそうに遊ぶんですよ。うちには男性がいないから男の子同士で遊べるのが嬉しいみたいで。そういう時にやっぱり父親という存在は必要なんだなって感じますね。

 ひとり親の場合は、お父さんとお母さんの二役を1人でやらなければいけないので、息子には我慢させてしまっているところもたくさんあって。例えば私が怒った時に、父親がいれば息子は甘えたりできるけど、それがないから、息子には逃げ場がない。それは辛いと思うので、極力休みの日は実家や兄の家に行って遊ばせてあげる機会を作っています。

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©杉山秀樹/文藝春秋

――横井さんは育児から離れて1人の時間を取ることはあるのでしょうか。

横井 リフレッシュのために年に数回、息子を母に預けて友達と飲みに行くことがあります。そんなに遅い時間までは遊べませんが、数時間だけでも友達と話す時間があるのはとてもいいですね。家に帰るとまた明日から頑張ろうと思えるので。そういう時間はこれからも大切にしたいです。

ひとり親のリアルを伝えたい

――今後やりたいことや目標などはありますか。

横井 前回のインタビューの際に同じ境遇の方々からたくさんのメッセージをいただいたんです。「うちも金銭的に大変です」とか「将来のことで悩んでいます」とか。ひとり親にとって育児の環境って本当に大切なんだと改めて感じました。

 少しずつ改善していますが、それでもやはりまだ支援が十分とは言えない状況なので、そういう声を発信してみなさんにリアルな子育てを伝えていけたらと思っています。自分1人で何とかなる問題ではないけれど、何かのきっかけになれたらと思っていて。

 あとは前回のインタビューの時も言いましたが、カメラマンとしての仕事を増やしていきたいです。いつかはスタジオを持つことが夢なので、それに向けてお金を貯めたり、活動の幅を広げていきたいですね。

©杉山秀樹/文藝春秋

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