セクハラ撲滅に取り組んでいた“正義の弁護士”によるセクハラ告白だった。
福島原発事故“生業訴訟”では弁護団の事務局長
馬奈木厳太郎弁護士(2017年10月):
国の責任がきちんとした形で認められるということを期待しています。
馬奈木弁護士は、福島第1原発事故で避難した住民らが国と東京電力に損害賠償などを求めたいわゆる“生業訴訟”で、弁護団の事務局長を務めたことでも知られている。
馬奈木厳太郎弁護士(2017年10月):
生業訴訟の件で控訴を先ほど福島地方裁判所に対して、仙台高等裁判所宛ての控訴状を提出してきました
去年6月、“国の責任”を巡る集団訴訟の最高裁判決では、原告の住民らを前に判決内容を告げた。
馬奈木厳太郎弁護士(2022年6月):
判決は国の責任を認めないという全く受け入れられない内容の結論でした。これが判決になります
「被害を救済すべき立場の弁護士が…」
裁判を共に戦った馬奈木弁護士のまさかの告白に、“生業訴訟”の原告団長・中島孝さんも驚きを隠せない。
“生業訴訟”福島原発訴訟 中島孝原告団長:
我々を鼓舞してくれていた馬奈木さんがこんな事件を起こしたことはびっくりしたし、残念。衝撃を覚えている。被害者の方に誠実に向き合って本人の痛みの解消、苦しみに誠実に向き合ってほしいと思う。
1月中旬ごろに馬奈木弁護士から「セクハラをした。大変ご迷惑をした」と、弁護団退任の申し出があり、2月24日付で正式に退任したという。
当の馬奈木弁護士が自身のセクハラ行為を自覚したのが去年の末のこと。
被害女性が弁護士会に懲戒処分を求める書類を提出したことで、初めて自覚したという。
馬奈木厳太郎弁護士が公表した文書より:
その懲戒請求書を読み、私は初めてその方が私との関係を全く望んでいなかったこと、(中略)弁護士という私の肩書きや私との年齢差、人間関係への配慮から強く抗議できず、私の言動に苦しんでいたことを知りました。
「被害を救済すべき立場の弁護士が被害を生じさせてしまった」と謝罪した馬奈木弁護士。
被害者の知人女性側は民事訴訟を起こす方針で、3日に会見を開くとしている。
(「イット!」3月2日放送)