反発係数の低いボールが使用されると、ホームランは出づらくなる。しかし、それにもかかわらず、一部の限られたスラッガーはホームランを量産するのも事実だ。はたして彼らがボールの影響を受けず好成績を残していけるのはなぜなのか。
ここでは、大の野球好きとして知られるくりいむしちゅーの上田晋也氏が野球界のレジェンド古田敦也氏にさまざまな質問を投げかける『Q上田 A古田 プロ野球で活躍する逸材とは?』(ポプラ社)の一部を抜粋。2022年シーズンで大活躍した村上宗隆選手の異次元の活躍を振り返る。(全2回の1回目/後編を読む)
◆◆◆
なぜ、ヤクルト・村神様は異次元のバッターなのか?
上田 古田さんがヤクルト(東京ヤクルトスワローズ)の村上(宗隆)選手の2年目のキャンプを見に行かれて、「村上は守備さえ目をつぶれば30本打つね」みたいなことを、番組でご一緒したときの空き時間におっしゃっていたじゃないですか。確かにその年、36本のホームランを打ったんですけど、あのときの打率は、そんなによくなかったじゃないですか。それでよく昨年(2022年)三冠獲りましたよね。村上選手の何が大きく変わったんですか?
古田 昨年の村上君は、まさに神がかっていましたね。特に7月や8月の成績はものすごいとしか言いようがありません。しかも、彼のいいところは、みんながここで打ってほしいと思ったときに打ったことです。価値あるホームランを打ったことが、本人の自信になっています。
あと、何回も対戦したことで、ピッチャーの攻め方や自分のウィークポイントもわかってくるので、相手の配球に対して先回りできていました。その結果、フォアボールをたくさん取れるようになったのも大きいです。
彼の打球の飛距離がすごいのはもちろんのこと、昨年はできすぎなくらいの成績でした。今年は、相手も必死に抑えようとしてくるので、大きく成績は伸びないかもしれません。
30本から40本のホームランを打つと予想
上田 でも、ホームランはそれなりには打ちますよね?