最初がダメだとうまくいかない
上田 やっぱり“入り”って大事ですね。試合の初回もそうですしね。手前味噌ですけど、バラエティもそうなんですよ。僕、気をつけるのはオープニングだけなんですよ。
古田 ハハハッ。
上田 オープニングがなんとなくうまくいけば、そのまま転がっていくんです。逆に、自分もそうですけど、オープニングでふった出演者が最初の返しでスベると、そいつはどんどん空回りしていきます。
古田 なんとか取り返そうとして深みにはまっていきますね。
上田 オープニングさえうまくいっていれば、ある程度はいけるっていうのはあるんですよね。
古田 ゴルフでも、最初の3ホールが調子よければ集中できます。最初からダボ(ダブルボギー)が続くと、“もう今日はダメだー”と思ってしまいます。
上田 そうですね。古田さんが現役時代は、4月、5月あたりはうまくスタートを切ろうっていうんで、ほかの時期よりも集中度が違っていたんですか。
古田 もちろん一生懸命やっていましたが、結果は年によって違いましたね。
気楽にポジティブに臨んだほうがいい
上田 毎年調子がよかったわけじゃない?
古田 はい。一応開幕に合わせて調整しますが、うまくいくシーズンばかりではなかったです。ただ僕の場合はレギュラーを取れて、すぐ交代させられるわけではなかったので、暗示をかけて乗り切っていました。
プロ野球選手というのは、3割打てばいいバッターで、2割5分ならいまいちのバッターと言われてしまいますが、その差を考えると、たかだか3分の1か4分の1です。だから、ある試合で3打数ノーヒットだとしても、“4打席目には絶対ヒットが出る”と思えるかどうかが大事です。僕はそう思えたほうで、“だいたい3割打つんだから、4回も5回もミスショットしないよね”“そろそろヒット出るよね”といった気持ちでバッターボックスに入っていました。
昨年(2022年)の日本シリーズで、ヤクルトの山田(哲人)君がなかなかヒットが出なくて三振ばかりしていましたが、僕は“これだけ三振しているんだから、そろそろ打つよね”と思っていました。髙津(臣吾)監督もそろそろ打ちますって言っていたそうですし、実際にホームランを打ちました。
上田 それだけ自信があるってことなんでしょうね。
古田 はい。みなさんそれなりに実績もありますから。だからといって悠長にやっているわけではなく、10割打とうと一生懸命努力して、やっと3割なので、集中力なくやったら打率はすごく下がってしまうでしょう。メンタル面でいえば、そんなに焦ることなく、気楽にポジティブに臨んだほうがいいです。
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