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《米国では「ジェネレーション・レフト」という言葉も生まれている》斎藤幸平氏が日本共産党を除名された松竹伸幸氏にエール

《米国では「ジェネレーション・レフト」という言葉も生まれている》斎藤幸平氏が日本共産党を除名された松竹伸幸氏にエール

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衰退傾向を止めるには、若い世代への継承が急務

 これに対し、新刊「ゼロからの『資本論』」(NHK出版新書)で、コミュニズムを新たに考えようと提案した斎藤氏は、サンダースを支える米国の左派政党「アメリカ民主社会主義者(DSA)」を例に挙げて、こう述べた。

「DSAは民主的社会主義者の集まりで、社会主義への忌避感が強いアメリカでは、2016年には党員は、わずか5000人でした。ところがこの6年あまりで、じつに10万人近くにまで激増している。トランプ政権下で勃発するさまざまな問題に反対するBLM(ブラック・ライブズ・マター)やFFF(フライデー・フォー・フューチャー)といった運動に若い人が次々と参加したことで、これらを後押しするDSAに人が流れ込みました。

 LGBTQや人種、気候危機の問題を扱うにつれ多様な人が入ってくるし、問題がバラバラで中央では対処できないから地域ごとの裁量に委ねるようになっていった」

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「アメリカでは若い世代の半分以上が『社会主義候補に投票する』と答えていて、『ジェネレーション・レフト(左派世代)』という言葉が生まれているほどです」

斎藤幸平氏

 斎藤氏は「文藝春秋」2023年2月号に寄せた「共産党はアップデートせよ」の論文でも、創立100年を迎えた日本共産党に対し、《保守化する現代日本においても、さまざまな場面で地道に活動し続けている共産党員の方々に最大限の敬意を表したい》としつつ、《衰退傾向を止めるには、若い世代への継承が急務であろう》と綴っていた。

 3月10日(金)発売の「文藝春秋」2023年4月号では、除名の真相から、日本共産党の内情、左派運動の「課題と未来」についてまで、松竹氏と斎藤氏が90分にわたって繰り広げた熱い議論を10ページにわたり掲載している(「文藝春秋 電子版」では3月9日に公開)。

《米国では「ジェネレーション・レフト」という言葉も生まれている》斎藤幸平氏が日本共産党を除名された松竹伸幸氏にエール

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