「私が日本へ来るのは、新宿のホストクラブに通うためです。でも韓国から何度も日本へ来るうちに、気づいたら“ツケ”が150万円。とても払えないと伝えると、ホストは私に『日払いで給料くれる仕事があるよ』と言いました。でも紹介された仕事は風俗だったんです」
韓国人女性のA子さん(20代)は半年前から新宿・歌舞伎町のホストクラブに通うようになり、これまでに200万円を“貢いだ”という。「永住権を取って結婚しよう」というホストの甘い言葉を信じたA子さんを待っていたのは、違法の風俗業に従事して金策に追われる日々だった。
韓国から日本にビザ無しで入国できるようになったのは、2022年10月11日。それ以来、韓国では日本旅行の人気が再燃し、来日する人の数は入国制限の緩和前に比べて約5.3倍、ホテルの予約数は26倍に増加したという。旅行先として「新宿・歌舞伎町のホストクラブ」の人気が上がっているという。
「日本に“韓流ブーム”があるように、韓国にも“日流ブーム”はあります。漫画やアニメ人気はもちろん、Netflixでも日本のドラマはランキング上位の常連。そして最近は新宿・歌舞伎町も有名で、絶対に訪れてみたい場所になっているんです。独特の文化や街並がSNSで流行って、YouTubeで『タナカさん』がブレイクしたことで歌舞伎町は完全に人気スポットとして定着しました」(韓国在住の30代女性)
「日本へ行けるようになったら歌舞伎町に行こうと決めていました」
「タナカさん」は、日本人ホストのキャラを演じる韓国のコメディ系YouTuber。「ご指名ですか?」と日本語を織り交ぜて笑いを誘って人気になり、今ではオリジナル曲をリリースして音楽番組に出演するほどの人気になっている。
借金を背負ったA子さんが新宿・歌舞伎町に憧れるきっかけも“タナカさん”の動画だったという。タナカさんは韓国在住だが歌舞伎町でも度々収録しており、A子さんは「この異様な街はなんなのだろう」と興味を持ったと言う。
「もともと日本は好きで、日本語検定2級も持っています。勉強して日本の文化についてはそれなりに知っているつもりだったけど、大きな看板に“タナカ”のような人物が並んでいたり、ナンバー1と書かれている歌舞伎町の街並みは全く新しい風景でした。韓国では見かけないものばかりで、日本へ行けるようになったら歌舞伎町に行こうと決めていました」