WBCを戦う侍ジャパンは中国・韓国・チェコに3連勝し、3月12日にオーストラリアと対戦。マウンドには、山本由伸が登板し、4回1安打8奪三振無失点という圧巻のピッチングでオーストラリア打線を封じた。
山本といえば、プロ野球投手最高の栄誉である沢村賞をパ・リーグ所属選手として初めて2年連続で受賞するなど、日本球界屈指の名投手。今シーズンは推定年俸6億5000万円の球団史上最高年俸で契約更改している。気になるのは「メジャー挑戦の時期」。山本のこれからについて、番記者、メジャー担当記者などに取材した「週刊文春」の記事を公開する(初出:週刊文春 2022年1月13日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)。
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プロ野球投手最高の栄誉、沢村賞を受賞したオリックスの山本由伸(23)。最多勝や最優秀防御率など「投手4冠」も獲得し、パ・リーグ制覇の立役者となった。
「オフの契約更改で球団は年俸1億5000万円の倍額以上を提示する方針。球団最速の3億円突破で満面の笑みが見られると思ったが、昨年末は球団事務所に姿を現さなかった」(番記者)
結局、契約更改は越年することに。球団側は「スケジュールが詰まっていて日が取れなかった」と説明したが、番記者は「代理人を入れて交渉しており、年俸よりも大リーグ移籍への条件闘争をしている」と語る。
「以前から山本はメジャー行きを熱望。球団側は『優勝してから相談しよう』とお茶を濁していた」(同前)
ところが優勝が現実のものとなり、ある球団幹部は「もう逃げられへん。今後は具体的な話をせざるを得ない」と白旗を上げている。
岡山出身の山本は宮崎・都城高を経て、16年のドラフト4位で入団。プロ4年間で21勝だったが、21年に飛躍を遂げた。
「150キロを超える速球を完璧にコントロールし、フォークなど変化球のキレも抜群。メジャースカウトからは、前田健太をさらに進化させた投手と評価されている」(メジャー担当記者)