1ページ目から読む
4/4ページ目
権力者(放送事業の担当大臣)がテレビ局の電波停止をちらつかせていたのだ。言わばこの時点で「底が丸見えの沼」をわざわざ見せつけていたのである。今回の文書はその沼でどんな魚が暴れていたのかが見えた。その魚は小物かもしれないが、問題なのはとっくに底が丸見えなほう(本体)である。
たとえば当時の高市氏の一連の発言にはギョッとしたが、もっとギョッとしたのはテレビ局が意外と騒がなかったこと。つまり高市氏の言葉が効いているからか。
政府が番組の中身に口を出し始めると…
《それにしても気になるのは、政府が番組内容を「判断する」という言葉を平然と国会で口にしていることだ。》(朝日新聞のコラム3月8日、田玉恵美)
そう、これこれ。脅しのような言説が国会だけでなく平然と一般に流通しているのが本当に不思議だ。
《政府が番組の中身に口を出し始めると、結局今回のように個々の番組の是非まで政府が判断するという話になり、事実上の検閲に近づいてしまう。》(同前)
高市氏が辞める辞めないという問題もいいけど、こんな当たり前の現実にもっとギョッとしていくべきでは?