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誰かと仲良くすることで誰かを排除することになるのは苦しい

――「浮気するなら、バレないようにやってね」という話もよく聞きますが、これとポリアモリーは違いますよね?

きのコ いわゆる“don't ask, don't tell”と言われる関係性ですね。それは公認の不倫という感じがして、見て見ぬふりをすることかなと思うので、ポリアモリーの本質である“みんなの合意”とは違うかな、と。

――関係性すべてに「みんなの合意」が必要で、何をどれくらい打ち明けるかも話し合わないと分からない。ポリアモリーは“コミュニケーション”が本当に大切ですね。

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きのコ 他人と深く関わるというのはそれだけめんどうが増えることだと思います。私はポリアモリーについて多くの人に知ってほしいと思っているのでイベントも毎月主催していますが、みんなに実践してほしいと思っているわけではないのはそのせいです(笑)。

 でも、私の場合、そのめんどうもひっくるめて、ポリアモリーという生き方が好きなんです。

きのコさん 本人提供

――来週には告白が控えていますしね。

きのコ 実は、Cさんと一緒に彼に告白をするんです。私と彼が一緒にいるとCさんも嫉妬しちゃうから、だったら3人でうまくいくように、「私たち2人と付き合ってください」と告白することにしたんです。

――従来の発想でいくと、きのコさんかCさんのどちらかが諦めるのが普通ですけど、ポリアモリースタイルだとそうなるんですね。

きのコ 誰かと仲良くしたいと思う気持ちが、誰かの排除につながるのが本当にわからないし、なんでそんな苦しいことしなきゃいけないんだろうって思いはずっとありますね。3人で仲良くすればいいじゃんって。

©深野未季/文藝春秋

――ちなみに、相手の男性もポリアモリーの方なんですか?

きのコ いえ、モノガミー(1対1の関係性を望む、ポリアモリーの逆のライフスタイル)の方なんで、私もどんな反応が返ってくるのかわからなくてドキドキしてます。「俺、ポリアモられちゃう!」って思うのかな(笑)。