複数の人と合意の上で交際する「ポリアモリー」を実践する文筆家のきのコさんは現在、2人の恋人と交際している。
複数の恋人と一度に連絡をとる方法からクリスマスといったイベントごとまで、ポリアモリースタイルで行われるリアルライフを追った。(全2回の2回目/最初から読む)
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恋人2人、連絡は同じチャットグループで
――きのコさんは今、MくんとAちゃんという恋人が2人いるんですよね。恋人の全員が他との交際について同意している“ポリアモリー”な関係とはいえ、Mくんに送ろうとしたメールを間違ってAちゃんに送って気まずい、みたいなことはありませんか。
きのコさん(以降、きのコ) それがめんどくさいので、皆一緒のチャットグループで連絡を取り合ってます。
――きのコさんを恋人にしている方々が皆同じチャットグループにいるということですね。ポリアモリーならではのコミュニケーションです。
きのコ 自分のパートナーと、そのパートナーの恋人までを含めたチャットグループです。私の彼女のAちゃんが「もう皆一緒に話したほうが楽じゃない?」と言って立ち上げてくれました。
――複数人とお付き合いをするとなると、デートの日程を合わせるだけでも大変そうです。
きのコ 1対1×複数みたいなかたちで関係性を維持しようとすると、あらゆる面でコストがかかります。たとえば5人パートナーがいたとして、クリスマス時期に恋人と会う度にチキンとケーキを用意するのは大変だし、飽きちゃいますよね。なので、連絡手段にしろイベントごとにしろ、皆で集まってまとめてやったほうが楽なんですよ。
――きのコさんの生活の拠点はどうしていますか?
きのコ 会社員を辞めたこともあって、今は多拠点生活で1週間ずつ各地を移動してます。恋人の1人で最も付き合いの長いMくんは神奈川住まいで、もう1人のAちゃんは京都なので、行ったり来たりです。あと、実家は福岡だし、私自身は都内でシェアハウスを運営しているので、その何処かにいるような感じです。
そういった意味でも、皆のネットワークがつながっていれば、たとえ私になにかあっても全員に情報が共有されているので心配がないというか。これがもし不倫や浮気中に突然事故にあったとしたら、それを隠されていた方は事情がわからなくて混乱してしまうことになるわけで、ポリアモリーというライフスタイルはリスクヘッジにもなるのではないかと思ってます。