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「オオタニは尖ったイチローと正反対だ」「日本の解毒剤になっている」…米国メディアが大谷翔平を評価する“本当の理由”

2023/03/16
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「彼は信じられないほど素晴らしい」

 3月8日、東京ドーム。何人かのグループに混じってそんな絶賛の声をあげたのは、侍ジャパンのメンバーとしてWBCで注目されているセントルイス・カーディナルスのラーズ・ヌートバー選手だ。彼とは他でもなく大谷翔平選手のこと。ちょうどその時、大谷選手がその場を通りかかった。次の瞬間、ヌートバー選手は驚く。大谷選手がハグをしてくれたからだ。それは大きなハグではなく、ちょっとしたハグ。大谷選手はハグすると廊下の方に消えていった。

3月11日、WBC1次リーグ日本対チェコ戦で吉田正尚(右)を迎える大谷翔平(左)とラーズ・ヌートバー ©時事通信社

止まらないヌートバーの“大谷ラブ”

 天にも昇るほど嬉しかったのだろう、ヌートバー選手は「こんなことは初めてだ。スペシャルだ」と感嘆。そのグループの中にはあのボビー・バレンタイン氏もいた。バレンタイン氏は元プロ野球選手で、メジャーリーグではニューヨーク・メッツやボストン・レッドソックスの監督を、日本のプロ野球では千葉ロッテマリーンズの監督を務めた野球界の巨人。バレンタイン氏は、大谷選手にハグされて喜ぶヌートバー選手に「楽しんでね」と声をかけた。

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 ワイドショーをはじめとした日本メディアだけの盛り上がりではなく、米国の地方紙「アーカンソー・デモクラット・ガゼット」オンラインニュースまで、翌9日の中国戦を前にそんな3者の様子を微笑ましく報じている。

ラーズ・ヌートバー ©佐貫直哉/文藝春秋

 ヌートバー選手の“大谷選手ラブ”はその後も、記者会見会場で続いたという。

「僕は君たちと同じだよ。彼をウォッチできるファンなんだ。フロントシートで彼をウォッチできるのは幸運なことだ。フィールドの内外で彼をウォッチできるのは凄い。彼は常人ではないよ、もっと素晴らしい。心からそう思うよ」

 ヌートバー選手を虜にしてしまった大谷選手は今シーズンが終わればフリー・エージェントとなるが、メジャーリーグのどの球団も大谷選手を獲得したいところだろう。ボストン・レッドソックスも然りだ。ボストン・レッドソックスは、ベーブ・ルース選手をニューヨーク・ヤンキースに売り渡したという苦い経験を持つだけに、ベーブ・ルース選手を超えたとも言われている大谷選手を是非とも獲得したいところだろう。