1ページ目から読む
2/4ページ目

アメリカで最も権威あるスポーツ専門誌は…

 そんなレッドソックスについて、アメリカで最も権威があるスポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」は「ショーヘイ・オータニをレッドソックスに? WBCはスター・デュオ誕生の可能性を垣間見させている」と題する記事を掲載している。スター・デュオ(スターの2人組)とは大谷選手とオフシーズンにレッドソックスと契約を交わした吉田正尚選手のこと。同誌は「エンゼルスの二刀流スターとボストンの新たな外野手は侍ジャパンとして共に韓国チームを打倒した」と2人の活躍を伝えている。

 さらに、「レッドソックスが大谷を欲しいなら大枚(フリー・エージェントとなる大谷選手の契約金はMLB史上最高額の500ミリオンドルに達するという指摘もある)をはたく必要があるが、吉田選手が仲間になっていることが助けになるかもしれない」とWBCで大谷選手と共にプレイする吉田選手にほのかな期待を寄せつつ、「レッドソックスのボストンは(大谷)獲得を願っている」と、ブルペンで大谷選手が吉田選手にビッグ・スマイルを向けているツイッター画像を載せている。

吉田正尚 ©佐貫直哉/文藝春秋

「オオタニは日本の宝」記事まで

 ところで、野球は「ダイヤモンド・スポーツ」とも呼ばれている。4つのベースは正方形のエリアに置かれており、そのエリアが“ダイヤモンド”と呼ばれているからだが、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙は、そのダイヤモンドを輝かせているのが大谷選手だとする、「オオタニは日本の宝 野球というダイヤモンドを輝かせている」というタイトルで大谷選手を賞賛している。

ADVERTISEMENT

「大谷選手は優れた野球選手以上の存在だ。大谷選手は日本人にポジティブな影響を与えている。子供たちはみな大谷選手になりたがっている」というファンの声を紹介するとともに、「日本の文化や政治は数十年前と比べて不安定で、経済は停滞しており、出生率は世界でも低く、前首相も暗殺された。大谷は解毒剤になっている」として、大谷選手は低迷している明るいとは言えない日本に輝きをもたらす存在という見方をしている。

©AFLO

 また、「彼は二刀流でメジャーリーグのベストプレイヤーだと言われているが、そうだとすれば、彼はアメリカ人選手やラテンアメリカの選手よりも優れている」と外国人選手と比較したり、「彼は進化した日本の野球の頂点に立っており、彼の名声は今ではイチロー選手や野茂英雄投手を凌いでいる」とMLBの先駆者である日本人選手たちと比較したりしている。