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14歳の時にも強制わいせつの前歴
一方、公判では、田中被告が14歳の少年時に、強制わいせつの前歴があることも発覚した。こうしたなか、検察側だけでなく、裁判長、さらには味方であるはずの弁護側までもが、“性癖”の「矯正可能性」についてや「再犯防止策をどのように考えている」のかといった質問を繰り返し行った。
「田中被告は以前、盗撮で警察取扱いになった後、『半年ほどカウンセリングに通い、グループセッションなどを行っていたが、コロナで中止になってしまった』『(作曲家として仕事をしていたから)顔がバレるのが嫌だった』などと当時はそれほど積極的に矯正を行うことができていなかったと認めました。
ただ今回は、言葉の上では深い反省の弁を述べ、『治療を最優先する』『言葉で意思を示すだけでなく、依存のメカニズムを知って欲求が出てきても(盗撮やわいせつ行為が)できないような仕組みを作る』などと主張しました。弁護側の質問はもちろん田中被告に更生の意思があることを語らせるためですが、どこか白けているような雰囲気があり、本気で聞いているようには感じられませんでした」(同前)
一方、被害を受けた女性は「事件を思い出すと男性が怖くなる」と語り、トラウマが消えていないという。4月28日の第2回公判では、被害者女性の心情について陳述が行われる。