(2)美容室のバックヤードにしては、お洒落すぎる
華やかでお洒落な雰囲気漂う美容室ですが、バックヤードをお洒落にしているお店は見たことがありません。
なぜなら、費用がかかるから。お洒落な壁、床、テーブルや椅子などを用意するには、当たり前に費用がかかります。お客様に見えないバックヤードをお洒落にする必要は無いため、安価で最低限に抑えます。
それに対して、ケンジの座るソファやテーブルはお洒落すぎるのです。デザインの凝ったソファがバックヤードに置かれることは、まずありません。あるのは事務的で簡素な椅子程度です。
そして通常、美容室のバックヤードは倉庫として兼用されます。ウィッグが並ぶ姿はイメージがつくと思いますが、美容師が扱う薬剤や器具はとても多く、効率よく整頓しようとすると、壁に沿って棚を設置することになります。壁一面を棚にすることも珍しくないので、必然的に「ギュウギュウ詰めの倉庫」の印象になります。
また、そもそもスペースが狭いので、テーブルすら無いこともままあります。美容師仲間から「洗濯機をテーブル代わりにしてお昼を食べていた」と聞いたこともあるほど、バックヤードは簡素で狭いのです。
(3)美容師は、同僚と一緒にお昼は食べない
美容師は基本的に、同僚と一緒にお昼休みを取ることがありません。理由は、営業中だから。美容室では、病院の「午前の部」「午後の部」のように、お昼休みが割り振られていないので、スタッフの休憩は「代わり番こ」です。そのため美容室は少人数であればあるほど、一緒にお昼を食べることはしないのです。
そして全国の多くの美容室では、「お昼休みは1時間」という概念がありません。一般的な会社員美容師は、1日1回の休憩が20~30分と決まっていることが多く、そのため美容師は職業病のように“早食い”になる人が多いです。