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『ビューティフルライフ』のツッコミどころは?

 美容師を題材にしたドラマといえば、『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』(以下、『ビューティフルライフ』)。放送当時、僕は小学校高学年でしたが、今になってドラマを見返しても、数々の名シーンを鮮明に記憶していました。

 ですが、この『ビューティフルライフ』にも、業界人が引っかかるシーンがいくつか見受けられました。大好きなドラマなので茶々を入れるようで申し訳ないのですが、お付き合いください。

 まず、“柊二(木村拓哉)がお昼休み中に杏子(常盤貴子)の勤める図書館に、バイクでお邪魔する”というシチュエーション。これは前述の通り、お昼休みが20分~30分と短い美容師には、到底無理です。

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 美容業界に限らず、他の業界でも“お昼休み中にバイクで”はかなり難儀な気がします。ですが、杏子が勤めるのは図書館で、仕事帰りに行っても閉館していて間に合わないから、仕方がないのです。

 また、“深夜の美容室で、柊二がハサミを研ぎながら同僚と会話をする”シーン。

 美容師は、ハサミを自分で研ぐことはありません。ハサミは二枚の刃が重なった「点」で切れるため、「線」で切る料理包丁を研ぐよりも技術が必要になります。そのため、ハサミの販売会社や研師さんに依頼することが普通で、自分で研ぐ美容師を私は見たことがありません。

 そして特に気になったのは、“柊二が撮影モデルをスタイリングしている途中に、コーム(櫛)を口に咥える”シーン。

「手を空けるために物を口に咥える」行為は、柊二の代名詞と呼べる仕草です。グローブやサングラスなどを咥える姿はワイルドでカッコいいのですが、美容師としては、お客様やモデルさんの髪に触れる物を咥えることはまずありません。

ドラマが面白ければ、問題無し

 今回のお話は、揚げ足取りがしたい訳ではないので、修正してほしいとも思っていません。「美容業界は、傍目にはそうやって見えているんだな」といった印象です。

 あまり偏見を持たせる描写があると困ってしまいますが、そのドラマが面白ければ、それでいいのです。