今回は、お子様カットにまつわるお話。

「できるだけ安く、早く済ませたい」という考えから、お子様のカットに1000円カットを選ぶ方は多いのではないでしょうか。

 ですが美容師としては、その選択はあまりオススメできません。なぜなら美容師にとって、子供のカットは簡単ではないからです。

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 では何がそんなに難しいのか? 解説します。

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子供のヘアスタイルは「洗いっぱなし」にしたい

 美容師は大人のカットをする場合、カットの提案だけでなく、具体的なスタイリングの仕方もアドバイスをすることが多いです。

 ちょっとしたポイントをお客様に実践してもらうことで、ヘアスタイルの持ちを良くすることができ、かつヘアスタイルの完成度も上がるので、カットの評価自体も高くなります。

 ですが、子供のヘアカットの場合、基本的にざっと乾かしただけの「洗いっぱなし」で完結するヘアスタイルを求められます。「洗いっぱなし」だと髪の毛の生えグセが反映されやすく、スタイリングなどの方法でカバーができないため、修正もしにくい。

 そんな「何もしなくてもカッコいい、可愛い」スタイルは、美容師の技術力が反映されやすいのです。

大人の髪の毛と、子供の髪の毛

 そもそも子供の髪の毛は、大人と少し違います。二次性徴で大人の髪の毛に変わるまで、多くの子供の毛が細く、柔らかく、毛量が少ないです。また東洋人の子供の場合、ウェーブが弱めな子が多く、全体的にストンと落ちる感じになりやすい。

「毛量が少なく、ウェーブが弱い」髪を切ると、ハサミで切った線がそのまま残りやすくなります。ぱっつん前髪のようにピシッと切った線を出す目的があるなどの例外的なケースを除き、線がそのまま残ってしまうと不自然に見えてしまいます。それは美容師としては避けたいことです。

 またロングヘアの子どもは、後頭部の辺りの髪が絡まっていることが多く、毛を解くことに時間がかかったりと、なにかとカットに不都合が起きやすいです。