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 水原氏はWBC期間中も、選手たちがSNSにアップした食事会の写真に頻繁に登場していた。侍戦士たちのつかの間の息抜きにも、水原氏の「情報網」が発揮されたのだろう。

 また、審判についての情報収集も重要だという。

「日ごろからいろんな選手から話を聞いたり、審判の機嫌がよさそうなときには話しかけたりして、性格を把握するんです。そういうことを通訳さんがやってくれると、選手はプレーに集中できて、とてもありがたいんです」

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大リーグのオールスター戦の本塁打競争で、大谷の打席のキャッチャーを務めた水原氏 ©共同通信社

水原氏が「愛される理由」

 水原氏はいまや、大谷が絶大な信頼を寄せる存在となった。さらに、大谷がア・リーグでMVPを受賞した2021年には、エンゼルスから独自の「MVI(最優秀通訳賞)」を贈られるなど、球団からもその働きぶりが高く評価されていることが分かる。水原氏が「愛される理由」を、岡島氏はこう語る。

「相手の気持ちを考えて行動できることだと思います。米国育ちの通訳さんの中には、選手をそっちのけにして自分の意見を喋ってしまう人もいる。でも、一平くんは、きちんと選手を理解して、一歩下がることができる。まさに通訳の鑑だと思います」

 3月22日(水)配信の「週刊文春 電子版」および3月23日(木)発売の「週刊文春」では、水原氏が野球に憧れたきっかけや意外なスキルのほか、大谷翔平の「年収65億円」の使い道、恩師が語る村上宗隆の「天性の才能」、ダルビッシュの驚くべき気配りの数々、兄と恩師と彼女の叔父が語るヌートバーの“素顔”など、侍ジャパンの「世界一『秘録』」を総力取材19ページで掲載している。

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