いまだウクライナ全土がロシア軍による執拗な空爆に悩まされ、毎日どこかで無辜の市民が殺されているなか、ウクライナ潜伏中の不肖・宮嶋にほっと明るい話題がもたらされた。ウクライナのためにロシア軍と戦う十数人の日本人義勇兵のうちのひとりが、ウクライナ人の女性と結婚する運びとなったというのである。2人とも20代前半、まだ若い。
ウクライナの勝利まで披露宴やハネムーンはお預け
2人は新郎が休暇のため戻っていたオデーサの役所で婚姻届けを提出した。しかしまあ、この手続きだけで大変なのである。平時のウクライナは官僚主義が蔓延、ちょっとした不手際ですべての手続きがストップしてまうのである。
2人はそんな障害や国籍の壁を乗り越えた。日本国籍のウクライナ軍人とウクライナ女性との婚姻は、この度めでたくウクライナ政府により正式に認められたのである。
時節柄、オデーサ市は大規模停電下、新郎は迷彩服、新婦も普段着のまま、派手な式も披露宴もハネムーンすらなし。いやウクライナの勝利の暁には親戚、友人皆ドーンと招いてドッカーンと宴席開くつもりやが、それまでお預けである。いまはただ、役所で結婚証明書を発行した若い女性公務員の前で永遠の愛を誓い、その証拠として、リングを交換、婚姻届けに署名するのみ。無事に式は終わった。
敵と戦う前にウクライナの官僚主義との戦い
新郎は不肖・宮嶋も取材したこともある元自衛官。その縁で2人の結婚のただひとりの立会人となるという栄誉にあずかった。彼は自衛隊除隊後しばらくしてロシア軍のウクライナ侵攻を知り、すぐにウクライナに入国、その後ウクライナ軍に合流した。
義勇兵としての新郎の経歴を簡単に説明すればそうなるが、いくら外国人義勇兵を募っていたウクライナ軍とて、そんないきなり外国人がやってきて入隊させろと言われて「はい、ようこそお越しを」なんて言うわけないやろ。