「俺らとタイマンするか、海に入るか選べ」

 品川区の「東品川海上公園」に中学3年生の男子生徒(当時14)を呼び出し、胸や腹を殴るなどの暴行を加えたうえで冒頭の様に脅して運河に飛び込ませたとして、高校2年生(17)の少年ら3人が2月25日に強要の容疑で逮捕された。

 逮捕された少年らは、自分たちの後輩が被害者の男子生徒に怪我を負わされたことへの仕返しとして犯行に及んだとされているが、実は、彼らの周りでは事件前から公園内のスケートボードエリアを争う“ナワバリバトル”が繰り広げられていた――。

ADVERTISEMENT

“ナワバリバトル”が繰り広げられていた広場

◆◆◆

 社会部記者が事件の概要を解説する。

「事件は昨年10月2日午後8時頃に起きました。少年らは電話やSNSを使って被害者を呼び出し、公園の隅で正座させて暴行を加えています。被害者はTシャツやズボンを穿いたまま水深4メートルの運河に飛び込み、自力ではデッキに上がれず溺れかけましたが、居合わせた同級生に引き上げられ事なきを得ました。その後、被害に遭ったことを警察に相談し事件が発覚しています。警視庁は、今年2月に少年らを逮捕し、その事実を3月7日に発表しました」

事件が起きた現場

スケボー以外にも、音楽を爆音で流し、急にラップバトル…

 年下の相手を複数人で囲み、寒空のなかで運河に飛び込ませるといった一歩間違えれば命に関わっていた事件。私立高校に通う少年ら3人はいずれも品川区に住んでおり、事件の起きた公園は彼らのテリトリーだったという。少年らと交流のあった知人(10代男性)が話す。

「あいつらはスケートボードのチームを組んでいて、海上公園でよくスケボーをしていました。チーム内には中学生もいたし、地元の同級生の弟とか小学生の子もたまに見かけましたよ。

 海上公園には他にもスケボーをしている人がよくいて、僕もその中の1人です。彼らは基本的には愛想のいいヤツらでしたけど、音楽を爆音で流したり、そのまま急にラップバトルとか始めたり、マナーが悪くて迷惑行為が目立つ集団って感じでした」