警察庁による動物虐待の検挙数は毎年増え続けている。2021年には過去最多の170件となった。この状況の中、兵庫の弁護士や獣医師が始めたのが「どうぶつ弁護団」。全国で初めての取り組みを取材した。
国内初 動物を虐待から守るため…兵庫県で発足「どうぶつ弁護団」
ちょっぴりイカツイ顔がかわいらしい猫のまるちゃん。年齢は8歳くらいの高齢猫だ。
実は2021年に針金で下半身を縛りつけられる虐待に遭い、動物病院で治療を受けていた。
これを聞きつけ動き出したのが、2022年、兵庫県で発足した「どうぶつ弁護団」だ。
どうぶつ弁護団 勝又陽香弁護士:
針金が病院にあるみたいな話があったと思うんですけど、それって証拠として出す必要はないのですか?
どうぶつ弁護団 立花隆介弁護士:
病院にて適切に保管されているという情報を提供しておく、ぐらいでいいかなと思います
法律で告発する弁護士と動物を診察する獣医師がタッグを組み、動物の虐待事案を独自で調査、報酬なしで、刑事告発をする、全国初の団体だ。
警察庁によると、2021年の動物虐待の検挙数は、過去最多。「声なき動物を護りたい」という思いから立ち上がった。
針金で下半身縛られ…まるちゃんに今も残る“後遺症”
まるちゃんが見つかった淀川の河川敷は、普段から多くの猫の憩いの場となっている。
ボランティア 荒井かおりさん:
ここの子は、たくさん餌やりさんが来ているから、人を割と信頼している。だからいたずらもされるんですけどね
まるちゃんはこの場所で、下半身を硬い針金できつく縛られ、さらに、逃げられないよう木にくくりつけられていたのだ。
ボランティア 荒井かおりさん:
(2021年の)年末に、早朝に餌をあげている男性の方が見つけて、お正月になってまだ鳴いているから見たら、くくられていて、動けない状態でつながれて。怖い目に遭っている子なので、捕獲器も近寄ってくれなくて。まるちゃんの痛みを思うとつらい…つらかったです