防衛省は何と答えるか
一方、防衛省報道室に事実確認を求めたところ、以下のように回答した。
「(潜水艦用ソーナーの問題について)納入後、沖電気工業から海上自衛隊に対し、アレイ内部の不具合により、音響データに時折異常が発生するとの説明がありました。その後、沖電気工業から海上自衛隊に対し、不具合対策を検討した結果、電源ラインのグランド配線の追加によって不具合が解消されるとの提案を受け、その結果不具合は改善されました。
(性能試験については)当該試験は、納入後の沖電気のかし修補(註・瑕疵の補修)の結果、沖電気社内の『製品試験』で合格し、品質が保証されたものを海上自衛隊の運用方法に沿って『性能試験』を行ったものであり、性能試験は海上自衛隊の要求を満たしました」
岸田政権が昨年末に決定した「国家安全保障戦略」では、防衛装備品の国産化方針を掲げている。中国の軍事力が増強され、台湾有事なども懸念される中、潜水艦用のソーナーという最重要防衛装備品を受注してきた沖電気に課せられる役割は重い。今回、発覚した問題を受け、沖電気が今後、どのような開発・製造体制を取るのか、対応が注目される。
「週刊文春 電子版」ではオリジナル記事として、沖電気社内の“秘密保全室”で行われた修理作業の詳細や、A氏ら担当者間でやり取りされたメール、沖電気の曳航式ソーナーシステムを搭載した潜水艦・護衛艦の数などについても近く報じる予定だ。
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