東京大学の中で、ほぼ全員が医学部医学科に進学する最難関・理科3類。そこへ4人の子ども全員を合格させ、「佐藤ママ」として一躍有名になったのが、佐藤亮子さんだ。
一方、歌手・エッセイストのアグネス・チャンさんは、3人の息子全員がアメリカのスタンフォード大学に入学。同大は、イギリスの教育専門誌が昨年9月に発表した「世界大学ランキング2018」で、カリフォルニア工科大学と同率の3位にランクインした名門校だ。
子どもたちを難関大学に入学させた2人の「孟母」による初対談が、『文藝春秋』誌上で実現した。
試験の点数アップのため、「計算式を書いた紙を壁に30枚貼る」「キッチンタイマーをセットし、15分おきに教科を切り替える」など、独自のメソッドで子どもたちを指導したという佐藤さん。日本の大学入試が一度の試験で合否が決まる一方で、アメリカの大学入試は「共通試験に加えて、過去の成績や論文などを全て加味して判定する」(アグネスさん)という。
「自分の得意なもの、人とは違うものを持っていないといけない。そういう漠然とした試験なので、うちの子が合格したのも、正直なぜだか分からない」(アグネスさん)
「難しいですね。日本では勉強して点数を取りさえすればいい。日本の入試はシンプルなのかもしれません」(佐藤さん)
また、日ごろから子どもたちに「恋愛は大学に入ってから」と言っていた佐藤さん。対して、アグネスさんの息子は3人とも高校でガールフレンドができたという。
「男の子って誰かから愛されると、自信がついて格好よくなるんですよね」(アグネスさん)
「人間性までもが試されるアメリカの試験を考えれば、人間の幅を広げる恋愛は、かえって有効かもしれませんね」(佐藤さん)
他にも幼少期の教育方針や子どもの弱点の克服法などを巡って話題が尽きず、大いに白熱した対談の模様は、2月10日発売の『文藝春秋』3月号に掲載される。
【文藝春秋 目次】<第158回芥川賞発表 受賞作全文掲載>石井遊佳 若竹千佐子/<総力特集>日本の教育を建て直せ/南北統一五輪は欺瞞だ
2018年3月号
2018年2月10日 発売
特別定価980円(税込)