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青髪にゼブラ柄の毛皮コート「あいつはだれだ」

「旭川いじめ事件に関しては、早くから独自の見解を述べた動画をYouTubeに投稿していました。その後、実際に事件関係者から話を聞くために旭川入り。関係者の自宅のインターホンを執拗に何度も押したり、声をかけたりなどしていました。しかも青髪に白と黒のゼブラ柄の毛皮のコートを羽織っていて、旭川の街中ではかなり異様でした。記者の間でも、『あいつはだれだ』と話題になっていた」

 被害者の関係者のなかには、東容疑者について「怖かった」と話す人もいたようだ。また、事件とは無関係な人が巻き込まれたこともあった。

東容疑者(YouTubeより)

「突然、東容疑者から私の勤め先に電話があって、『子供がいじめの加害者ではないか』と問い詰められました。子供は全く事件に関係ないと伝えたのですが、私の会社や子供の名前などがTwitterに投稿されてしまった。それ以降、会社にイタズラ電話がひっきりなしにかかってきて、仕事にならない日もありました。子供の名前や写真はリツイートや転載などで広がり、いまでもネットで晒され続けています」(巻き込まれた被害者)

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 この被害者は今月23日、事実無根の内容で名誉を傷つけられたとして、東容疑者に対し計440万円の損害賠償を求めて旭川地裁に提訴している。

 東容疑者をはじめ、法を犯すことに躊躇のない“迷惑系インフルエンサー”のトラブルは後を絶たない。そもそもガーシー容疑者もそのうちの1人だ。

 迷惑系YouTuberの元祖といえば「へずまりゅう」こと原田将大被告だろうか。原田被告はスーパーで会計前の商品を食べるなどし、2021年8月27日に窃盗や威力業務妨害の罪に問われ懲役1年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。他にも「煉獄コロアキ」が、2022年9月10日に旧統一教会抗議デモで陰部をみだりに露出し、公然わいせつの罪で逮捕されている。

 なぜ彼らはこれほどまでに過激な行為に及んでしまうのだろうか。

過激化する“迷惑系”たち切羽詰まった事情

「SNSの普及で誰でも個人チャンネルを持てる時代になりました。芸能事務所に入らなくても、SNSや動画投稿サイトを使えばタレントのような活動ができてしまう。なかには才能を発揮して人気者になった人もいますが、問題はそのフォロワーたち。参入障壁の低さから、リテラシーの低い若者たちも少なくない。なかには職や金に困り、捨て身で活動しているようなこともある」(YouTube事務所関係者)

ガーシー議員も“迷惑系YouTuber”の1人だろう ©時事通信

 前出の社会部記者によると「東容疑者は定職についていなかったとみられる」という。

「無差別殺傷事件などを起こす加害者について“無敵の人”と呼ぶことがありますが、迷惑系YouTuberにもそれに近い状況にいる人もいます。バズるために犯罪に手を染めてしまう人や、以前の東容疑者のように無関係の人を巻き込むことも厭わない。YouTubeを含め、動画投稿サイトやSNSは以前よりも稼ぎにくくなっていますので、インフルエンサーがより過激化していく可能性もあります。なんらかの規制が必要だと思います」(同前)

 バズるために手段を選ばない迷惑系インフルエンサーたち。暴走する彼らは、一体どこへ向かっているのだろうか。