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最後の大物次官・齋藤次郎氏が『安倍晋三 回顧録』に反論

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「私がどうしても理解できなかったのは、財務省は〈省益のためなら政権を倒すことも辞さない〉と断じた部分です。安倍さんがいらしたらお聞きしたいのですが、“省益”とは一体何を指すのでしょう? この言葉の意味するところが、さっぱり分かりませんでした。

国のために一生懸命働いているのに…

 財務省の最も重要な仕事は、国家の経済が破綻しないよう、財政規律を維持することです。『回顧録』のなかで、安倍さんは財務省のことを〈国が滅びても、財政規律が保たれてさえいれば、満足なんです〉とおっしゃっていますが、財政規律が崩壊すれば、国は本当に崩壊してしまいます。大幅な赤字財政が続いている日本では、財政健全化のために増税は避けられず、そのため財務省はことあるごとに政治に対して増税を求めてきました。

『安倍晋三 回顧録』(中央公論新社)

 それは国家の将来を思えばこその行動です。税収を増やしても、歳出をカットしても、財務省は何一つ得をしない。むしろ増税を強く訴えれば国民に叩かれるわけですから、“省損”になることのほうが多い。国のために一生懸命働いているのに、それを『省益』と一言でバッサリ言われてしまっては……現場の官僚たちはさぞ心外だろうと思います」(齋藤氏)

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 このほかにも、森友学園問題や公文書改ざん問題の核心、バラマキを続ける政治への警鐘……など齋藤氏の舌鋒は鋭い。90分にわたりおこなわれたインタビュー「『安倍晋三 回顧録』に反論する」全文は、「文藝春秋」2023年5月号(4月10日発売)と「文藝春秋 電子版」(4月9日公開)に掲載されている。

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『安倍晋三 回顧録』に反論する
最後の大物次官・齋藤次郎氏が『安倍晋三 回顧録』に反論

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