彼女の願いに対し、「自分には権限が無い」とあしらう職員。身体が弱って食事はもちろん、OS‐1など飲み物も喉を通らない彼女に対し、看護師が「飲んだ方が良い」「頑張らないかん」と事も無げに言っている場面も、複数回見られる。
亡くなる前日の3月5日の14時50分過ぎには、看護師と職員がウィシュマさんの傍らで談笑までしている。問題なのはその内容だ。職員が、「こないだの産婦人科の先生は格好いい」、「その前の時が手伝いに来てくれはった先生が、若いピチピチのギャル系の方だった」と語るなど、あまりにもその場に不適切な内容だったのである。
名古屋入管はなぜ適切な治療を受けさせなかったのか
ウィシュマさんの妹のポールニマさんが憤る。
「直視が出来ないほど残酷な映像でした。姉はオーバーステイにはなっていたが、それは命を奪うほどの罪ではない。収容されている人も人間です。食べる権利も、薬を飲む権利も、治療を受ける権利もある。入管の方はそれを考えた上で、行動して欲しかった」
名古屋入管に、なぜウィシュマさんに適切な治療を受けさせなかったのか、職員の行動が適切だったかどうかなどを尋ねたが、締め切りまでに回答は無かった。
このほか4月5日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および4月6日(木)発売の「週刊文春」では、ベッドから落ちたウィシュマさんを10分以上放置した場面、死の1時間前の部屋の様子、監視カメラ動画には収められていないより酷い場面などについて詳報し、動画のロングバージョンも公開している。
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