前出の役場職員が語る。
「町長は怒りをコントロールできない人なんです。職員は何か喋れば町長に叱責される。一部の“町長派”の職員からの告げ口も怖いので、業務中も何も言えません。まるで北朝鮮のような職場の雰囲気です」
奥町長は何と答えるか?「そういう認識はまったくないですね」
4月4日、奥町長に対面で話を聞いた。
――退職者が多い。
「中途退職10人は確かに多いと思います。その中には副町長になった者と町議になった者も含まれますが。寂しいですよね。一緒に町づくりをしていた職員ですから」
――パワハラで追い詰めた職員も辞めているのでは?
「いや、そういう認識はまったくないですね。ハラスメントについては防止規定を作っていて、相談を受ける職員を10名、外部委員会ということで弁護士も置いている。私は怒鳴りつけたりとか、そういう認識はありませんけど、現場で悪いところを『直そうぜ』と言ったりはする。それがまあ、職員の立場と町長の立場では受け取り様も違うと思うんで、そこのところは改めさせていただきます」
――役場に嫌気がさし、職員が離れている。
「若い人の考え方が、我々が入った時とは若干、違いますから、我々だったら『もうちょっと我慢しよう』ということもあります。より働きやすい職場にしようということは常に考えてますんで」
あくまで「パワハラの認識はない」と主張する奥町長。町議会でもこれまで奥町長のパワハラ問題が取り上げられてきたが、「静観する」という結論を出してきたという。だが今回、複数の職員から、奥町長の具体的な〝パワハラ行為〟の証言が得られた。
奥町長が今後、労働環境の改善にどう取り組むのか注目される。
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、奈義町が少子化対策の“奇跡の町”となった背景や、奥氏が町長に上り詰める経緯、「年俸10%の辞令」を表彰状のように渡した後、職員に言い放った奥町長の一言など、奈義町で何が起きているかを、詳しく報じている。
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