「君のブーツが僕の部屋にあるので取りにきてくれ」
悪夢のような時間は翌日も続いた。練習後の15時前頃、手元にスキーブーツがないと気が付いたA子さんが荷物を取りに行こうとすると、彼からLINEが届く。
「写真と共に、『君のブーツが僕の部屋にあるので取りにきてくれ』と。大きい荷物は彼の運転するバンに載せて運ぶので、私を呼ぶために自室に持ち帰ったのでしょう。心底嫌気が差していましたが、上司でもあるので、取りに行かざるを得ませんでした」(同前)
部屋の奥に置いてあるから取るように言われたA子さん。急いでブーツを取り、去ろうとしたが、扉を閉められ、再び抱きつかれた。全身を触られ、ベッドに無理やり押し倒されて再び……。
「彼の手にはスマホが握られていて、録画しているような音も聞こえました。行為が終わると逃げるように部屋に帰り、着ていた服を洗濯して、シャワーを浴びました」(同前)
カペリ氏と同じホテルにいるだけで、事件がフラッシュバックするようになったA子さん。23日、旧知の選手に相談した。
「話を聞いた選手らが、強化本部長の大日方邦子さんに事実を報告。事態を重く見た大日方さんは翌朝ダリオに対し、チームを離れるよう伝えました。その際ダリオは『合意の上だ』と主張していたそうです。彼のスマホのチェックは忘れたようで、今もその動画が残されている可能性があります」(前出・代表関係者)
事実関係を確認すべく、カペリ氏にLINEで質問を送ると、既読状態になったものの返事はなかった。
日本障害者スキー連盟は概ね、次のように回答した。
「ハラスメント行為があった事実から(カペリ氏に)チームから離れるよう伝え、解任を当連盟の常任理事会で決定いたしました。(カペリ氏は)ハラスメント行為を否定しています」
ただ、A子さんが困惑しているのは、これだけにとどまらない――。
このほか、4月12日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」及び4月13日(木)発売の「週刊文春」では、カペリ氏が他のスタッフのいる場所でもセクハラをしていたこと、何度もA子さんに送っていたLINEの中身、A子さんが不満に感じた連盟の対応などについて詳報している。
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