「海外出稼ぎでは高校を出たばかりの18歳の子にも会いました。出会った子たちが出稼ぎに来た理由はほぼ整形費用の捻出か、ホストに飛ばされたかの2択でした。

 数年前は出稼ぎする日本人女性は多くなかったですが、最近はカンボジアからドバイ、ニューヨークと世界中どこにでもいて希少価値はだいぶ減りましたね」

 こう語るのは海外出稼ぎをしたことのある日本人女性のAさんだ。出稼ぎといっても一般企業に勤めるわけではない。Aさんのいう「出稼ぎ」が指しているのは“出稼ぎ売春”だ。

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「逮捕される可能性も」超ハイリスクな海外出稼ぎ売春

 明治時代、生活苦に端を発して海外に身売りされる日本人女性たちが数多くいた悲劇の歴史も、今は昔。現代では手軽に渡航ができるようになり、TwitterなどSNSで簡単に「エージェント」と呼ばれる“案件”の紹介者に出会えるようになったとあってか、大金を求めて自ら海外に渡る女性たちが増えているようだ。

 社会問題化しているホストに多額の金を貢ぐ“ホス狂い”や、過剰なルッキズムから“整形沼”から抜け出せない女性たち。彼女らはTwitterで「海外 出稼ぎ」などと簡単なキーワードを打つだけで、いとも簡単に高リスクの“海外出稼ぎ売春”にアクセスできてしまう。

《海外出稼ぎシンガポール 一週間200万円~ 日給30万+α》 

A子さんが参加したという出稼ぎ案件

 SNSではこうした投稿のほかにも、どの国が一番安全に大金を稼げるかを比較するまとめサイトまでが当たり前のようにヒットするのだ。

 もちろん、多くの国では売春は違法だ。現地の警察当局に逮捕される可能性もあるわけだが、そんなリスクを当の女性たちは認識できているのだろうか――。

親の反対を押し切り、カンボジアに出稼ぎへ

 冒頭に登場したAさんは都内在住の20代半ばの女性。コロナ以前の2017年からカンボジアや香港、アメリカNYなど8カ国に出稼ぎに行った経験を持つが、振り返って「かなり危険だから止めたほうがいい」と語る。

 Aさんは元々日本国内で風俗嬢として働いていた。しかしある日Twitterで案件の募集を目にし、出稼ぎに興味を持った。金にそれほど困っていたわけではなかったというが、日本では簡単に稼げない額を、海外ならすぐに稼げるようだと知り、抗いがたい魅力を感じた。

プノンペン ©iStock.com

 Aさんは人生で一度も海外旅行にすら行ったことはなかった。半年ほど逡巡したというが、「こんだけ気になっているんだから行くか!」と意を決してパスポートを取得。親の反対を押し切り、「2週間で150万円給与保証」の条件でカンボジアでの出稼ぎを決めた。