動画配信グループとそのファンたちの裏の世界を鮮烈に描き、SNSを中心にまたたく間に火がついて話題となった人気マンガ『ガチ恋粘着獣 ~ネット配信者の彼女になりたくて~』。現在、マンガ配信サイト『ゼノン編集部』にて連載中で、4月からは実写ドラマもスタートした。
今回は本作の著者である星来先生にインタビューを敢行。実際に、動画配信の世界にハマったこともあるという先生に、作中のキャラクターたちが抱える複雑な感情と現実世界にも通じる“ガチ恋”の生態について伺った。
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動画配信者とファンの絶妙な距離感
──『ガチ恋粘着獣』のアイデアはどこから?
もともと私が配信の世界が好きだったんです。一番ハマっていたのは学生の時ですね。今は特に特別な「推し」もいないですし、冷静な視点で描けるかなと思って、思い出を蘇らせながら描きました。
――推しの対象がアイドルや俳優ではなく、ネット配信者というのがリアルです。
私自身アイドルを推していたこともあるんですが、CD、テレビ、ライブといろいろ追わなきゃいけないのが疲れてしまって。配信者は基本は配信のみで無料なので学生でもハードルが高くないですし、なんなら昔は毎日配信している人が多かったので、親しみやすかったんです。
――毎日推しが見られるのはいいですよね。
ただ、そのせいで、知り合いみたいに錯覚しやすい世界というか。私は登録者数1万人規模ぐらいのプロでもなく素人でもない人の配信を見るのが好きなんですが、特別だけど普通の人って感じなので、そこで距離感を間違ってしまう人も多いんですよね。
「この人だけは私をわかってくれてる」みたいに…
――冷静に考えると、普通の人がダラダラしゃべってるだけの映像が世界中に配信されて、それを毎日楽しみに待ってるファンがいるって、かなり特殊な世界ですよね。