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「(近づける考えは)ないです。議員の心理は、あとどのくらい自分に任期が残っていて、今の支持率に一喜一憂する局面かどうかというのが大きい。仮に今年の夏に衆議院選挙で堅調に勝って、来年9月の総裁選の前に少し支持率が下がったとしても、選挙がないのに(自民党議員が)そんなに騒ぐかなと思うんです」

青山氏

解散前の内閣改造も否定的

 また自民党内には、先に内閣支持率の上昇が期待できる内閣改造・党役員人事を行って、解散総選挙は臨時国会が開かれる秋以降でいいのではないかという声もある。しかし小野寺氏は、筋を大事にする岸田総理であれば内閣改造はないだろうと、否定的な見方を示した。

「今までやってきたことの信を問うことを考えれば、今の布陣で評価を受けるのが筋だと思います。解散の前にラインナップを新鮮にするやり方もあると思いますが、今のメンバーでやってきた話を評価してもらうわけですから。また選挙の準備は今の幹事長、選対委員長がずっとやっているわけです。その人たちを信頼して選挙をするというのが筋です」

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環境を整えつつある岸田総理

 そして小野寺氏は問わず語りでこう話し始めた。

「今私が感じているのは、10増10減などの候補者調整が、ここにきて急にワッと決まり始めたなと。4月はずいぶんいろんなことが進んできた。また国会も法案の採決が順調に進んでいる。すべてが前に進みつつあるなと感じています」

 これに対して朝日新聞の曽我豪編集委員は、「岸田総理は解散風をうまくつかっていると思う。解散は決め打ちせずに、選択肢を持っていてやれるんだったらやるということだろう」と指摘した。だが、岸田派幹部・小野寺氏の一連の発言は、6月の解散風を嵐に変えていくことになりそうだ。小野寺氏の“解散戦略”の詳細や防衛政策への強い思い、総理への意欲などは、「文藝春秋 電子版」から観ることができる。