ここまで完封勝ち7を含む16勝8敗。2位阪神に3ゲーム差をつけ首位を走る横浜DeNAベイスターズ。昨日(5/2)はバント失敗も重なって12残塁。これでは今までのように勝ち運も巡ってこないし、悪い流れの中同点で登板した山﨑康晃も打たれてしまう。また凡事徹底で仕切り直しである。今日はついに大物トレバー・バウアーが一軍のマウンドに上がる。
毎年ヨーイドンで躓くのが常だから、この時期にあまり調子がいいと浮かれるより先に不安がよぎるのがベイスターズファンの性。2015年、6月に首位に立ってからの12連敗を思い出す人も少なくないだろう。でも先発ローテーション枠を高いレベルで争う今の投手陣ならば、そうそう失速することはないと感じるのだが、果たしてどうなるか。
優勝するチームには何かしらターニングポイントがあるけど、今のベイスターズにとって4月27日のヤクルト戦、4点ビハインドをひっくり返してのサヨナラ勝ちと同一カード3連勝は、好調なチームをさらに勢いづけるきっかけとなったはず。昨年夏、徹底的にやられた直接対決3連敗の借りを返し、ヤクルトへの苦手意識を払しょくする意味でも大きなゲームだった。
「こんな試合は年に1度あるかないかです」
では前回1998年のベイスターズ優勝時、スタンドやテレビ、ラジオの前で応援していた僕たちファンがどのあたりで「本当に優勝できるかも……」と感じるようになったか。一般的にはずっとマシンガン打線と中継ぎローテーション、大魔神佐々木主浩で他を圧倒していた印象があるけど、実のところシーズン序盤はそこまでの強さは感じられなかった。
開幕の阪神戦を川村丈夫の1安打完封で飾り、いきなり3連勝と上々のスタートも、その後ポロポロと負けて4月はやっとこさ5割の9勝9敗。5月の鯉の季節は広島が一歩リードし、中日、巨人、横浜が2位を争う状況。前年97年はヤクルトに一歩及ばず2位。今年こそはと期待がかかる中で開幕から波に乗り切れなかったのは、石井琢朗と不動の1、2番を組んでいた波留敏夫が5月半ばまで出場停止処分を受けた影響も大きかった。しかしその波留が復帰すると6連勝。6月にも8連勝と徐々に調子を上げ、6月20日には6月以降としては19年ぶりの首位に立ったのである。
それでも2位中日が1~2ゲーム差でピタリとつく中、まず6月30日の広島戦で凄い試合をやってのける。江藤智に3連発を浴びるなど7回表まで5対9の劣勢も、7回裏2死無走者から佐伯貴弘、進藤達哉、石井琢のホームランなどで8点を挙げ大逆転。13対11で勝った後のインタビューで権藤博監督は「こんな試合は年に1度あるかないかです」と語ったが、「こんな試合」は1度では終わらなかった。